Chopped Around the World 〜こまぎれ世界一周

世界一周はしたいけど、仕事は辞められない。 わずかな休みをこまぎれにつなぎながら、少しずつ陸路で世界一周を目指します。

day 21 世界で最も西にある仏教国・カルムイキア共和国、エリスタへ

f:id:pristine:20170505225939j:plainふたたびのアストラハン。旅を再開したいと思います。今日の目的地は、世界で最も西にある仏教国、ロシア連邦の中のカルムイキア共和国、その首都であるエリスタです。

f:id:pristine:20170505225943j:plain前回の旅を終えたアストラハン空港。実はこの時点で当初の予定から5時間遅れ。今回はアエロフロートで、モスクワ・シェレメチェボ空港乗り継ぎでここまで来る予定が、フライト遅れ&まさかの入国審査1時間半待ちでフライトに間に合わず、次の便で来ることになったのです。(しかも、ドモジェドボ空港発だったので、モスクワを縦断して乗り継ぎ…)

なので、エリスタに最も早く到着すべく、タクシーに交渉。行けるよという運転手には会えたものの、しかしやはりここは足元を見られているからか7000ルーブル(≒1万4000円)から下がらず。しかしここからエリスタまで300キロあるのでまあ仕方がないかと。

f:id:pristine:20170505232306j:plainさて出発!

f:id:pristine:20170505225952j:plainさっそく、2000ルーブルの前払いを要求されガソリンスタンドへ。まずは燃料満タンにして向かいます。ちなみに車に表示されている燃費と距離を考えると、往復にかかるガソリンはおよそ80リッター、GSの表示を見ると大体1リットル33ルーブルちょいぐらいなので、2700ルーブル。ということは運転手の手取りは4300ルーブル(≒9000円弱)というところでしょうか。ロシアの平均月収は34000ルーブルということなので、3日分の稼ぎという感じですかね。値切れば値切れたかなあ。まあいいやね。

f:id:pristine:20170505232346j:plain街中をぐにゃぐにゃと進みながら。奥さんに今日は遅くなると電話するドライバー。

f:id:pristine:20170505230000j:plainボルガ川を渡ります。ゴツくて素敵な橋。

f:id:pristine:20170505230009j:plainすぐに郊外に出て何もない湿地帯が続きます。

f:id:pristine:20170505230017j:plainこの辺はボルガ川の支流や湿地がひろがります。水がある割には土地がやせているのか木は生えず草原やステップが連なるのみ。

f:id:pristine:20170505230027j:plain何もない草原をひた走る…

f:id:pristine:20170505230035j:plain塩湖。よく見ると何やら人が立っているのですが、何してるのでしょう。ドライバーが「ソルト、ソルト!」と連呼しています。何か説明してくれましたが、私のロシア語知識ではよくわからず。

f:id:pristine:20170505230042j:plain時折遠くに馬やら牛やらが現れます。放牧されているようです。

f:id:pristine:20170505230050j:plainロシア語の全くわからない日本人にも、運転手さんがひときわ強調したのはこの記念碑。1941-1945と書かれているので、第二次大戦に関係するものでしょう。俺たちはファシストから国を守ったんだぞ!的なことを一生懸命言っています。よく考えたらもうすぐ5月9日はロシアの戦勝記念日。そんな背景もあったのかもしれません。

f:id:pristine:20170505230057j:plain小さな町をいくつか通り過ぎます。

f:id:pristine:20170505230104j:plain街道沿いの小さな店に集まる若い人たち。

f:id:pristine:20170505230111j:plain300キロの道のりもようやくあと85キロ。やっと100キロ切りました。

f:id:pristine:20170505230118j:plainさらに草原を走ること1時間弱。突如「エリスタ」と書かれたモニュメントが。エリスタ市に入ったようです。

f:id:pristine:20170505230125j:plainようやくエリスタに到着。

f:id:pristine:20170505230131j:plainここまで300キロをほぼ3時間ぶっ続けでなかなかいいペースで運転してくれたドライバーさんに感謝。おかげさまで日が暮れる前にエリスタに着けました。

f:id:pristine:20170505230142j:plain今日のホテルはこちら。Hotel Belyy Lotus=白い蓮という意味だそうです。ホテルというより何かの会社みたいな外観。荷物を置いてさっそく散策に行きます。

f:id:pristine:20170505230150j:plain来ました!明らかにチベット仏教と同じ流れをくむ装飾。

f:id:pristine:20170505230201j:plain公園には金色の仏像とマニ車が。

f:id:pristine:20170505230207j:plain街の中心部には、パゴダがありました。名前は"Пагода Семи Дней"、直訳すれば7日のパゴダという名前です。仏教で7日間というのは何か意味があるのでしょう。人が亡くなったら7日おきに閻魔大王の裁きがあるといいますし。

ここ、カルムイク共和国は、世界で最も西に位置する、仏教を信じる人々が多くを占める国です。国といってもロシア連邦の中の1共和国ということなのですが。ここに住む人々は、かつてスターリンの時代にシベリアに強制移住させられ、その後1950年代後半になってようやく戻ることができた苦難の歴史があるといいます。そして、ソ連の崩壊を経て、前大統領キルサン・イリュム ジーノフ大統領の時代になって、ようやくお寺の再建など信仰を取り戻すことができたのだといいます。これらのパゴダなどもそのころ再建されたそうです。

f:id:pristine:20170505230221j:plain広場の周りには、旗がはためいています。青、赤、黄、白と、赤い丸に白と緑と黄色の旗の組み合わせ。チベット仏教の基本色の5色にも似ていますが、水を表す緑がありません。

f:id:pristine:20170505230228j:plain一方で、微妙に西洋的なモニュメントも。Яはロシア語で私、という意味ですから、I love Elistaということで。

f:id:pristine:20170505230239j:plainこちらは博物館のようです。

f:id:pristine:20170505230243j:plain気が付くと19時。エリスタの夕暮れです。

ほとんどお店もあまり見当たらない街。夜出歩くよりも明日早く起きたほうが楽しそうです。ちなみに、この後レストランを紹介してもらって向かったのですが見当たらず。結局スーパーで色々買って食べました。夜遅くまでやっているスーパーも何軒かはありました。

明日は、エリスタからボルゴグラードを目指します。

【今日の移動距離】320km 【累計】10730km