day 22(1) エリスタの街を歩く
この時期の日の出は朝5時。ちょっと早起きしてエリスタの街を散策します。
ホテルの隣の建物には、「FIDE」国際チェス連盟のマークが。ここエリスタはチェスの街として有名なのですが、この建物も何か関係があるのでしょうか。
売店にはカルムイク共和国のシンボル、ハスのマークが書かれています。
この時期はハスの花というより、山桜のような桜がちょうど咲く時期。
歩いて公園に行くと、なにやら東洋的な石像が。その横にはタルチョ(チベット仏教における5色の祈祷旗、風にたなびくたびに読経したことになるという)が結び付けられています。
こちらは、日本人の彫刻とのこと。調べてみると、山中環さんという日本人の彫刻家の方がエリスタで行われた1997年・98年に開催された国際彫刻シンポジウムに参加して現地で製作した石彫とのこと。
カルムイク共和国はテロとは無縁のような平和な空気が流れていますが、ちょっと南に行けば2度のチェチェン紛争を経験したチェチェン共和国や、ダゲスタン共和国などと地理的に近い所にあるためか、テロへの警戒を呼びかける看板が見られます。これは見知らぬ荷物への警戒を訴え、見つけたら100m離れること、触らないこと、112番に緊急通報すること、カルムイキアはテロに負けない、と書かれています。仏教的なデザインの枠と、中身の生々しさが妙なコントラストです。かつて訪れたラサに通じるものを少し感じます。
バス停もそれらしいデザイン。
歩きながら、バスターミナルを目指します。
動物病院。というか直訳すれば動物向けの薬屋さん、か。
あるロータリーのところにはストゥーパが。日本語で言えば卒塔婆。ここにもタルチョがはためいています。
スーパーの看板。心なしか東洋人的な顔。
エリスタの団地の佇まい。私、東京都内の団地育ちなもので、何かとてつもなくノスタルジーを感じる風景です。自分が生まれ育った団地もこんな5階建てぐらいの団地が整然と並ぶ街でした。40年前ぐらいは、世界的にこういう時代だったんでしょうね。
さすが仏教国だけあって、壁の落書きも仏像ですが・・・
一方でロシアらしいマッチョな感じもあったりして、仏教文化とロシア(あるいはソ連)文化がびみょーに混ざり合っているような印象を受けます。
街は郊外にも伸びています。
こちらは、前大統領が私財を投げ打って建造したという、国際仏教センター「Golden Abode of Buddha Shakyamuni」。広大な敷地に広がる大きな寺院で、ヨーロッパ最大の仏教寺院と言われます。
ちょうど訪れた4月30日は10時からセレモニーがあるとのこと。
撮影禁止だったので中の写真はありませんが、寺院の中に入ると、中央にオレンジ色の法衣を纏った僧侶たちが、大きな仏像の前で読経をしていました。
日本から遠く離れたこの地で、僧侶たちの勤行に参加できたというのは何か不思議な感慨を受けます。
参加している人々は、半分は仏教を信仰するカルムイク族の人々、残りの半分は観光をしているロシア人という感じでした。ただ、観光をしているロシア人たちもマナーはよく、手こそ合わさないものの、門を出るときに十字を切るなど、彼らなりの誠意を見せている感じを受けました。
ここにもタルチョが。
広い敷地に仏像とマニ車が配置されています。
そろそろバスが出発する11時が近づいてきました。バスターミナルに向かいます。
午後は、ボルゴグラードに向け出発です。