day 25 いよいよベルリンに到着、夜はベルリンフィルに!
目がさめると時刻は午前5時半。個室ごとに配られている時刻表を見るとポーランドのPoznanとドイツとの国境の町Zhepinの間のもよう。
窓の外を見ると、低く朝靄がかかる幻想的な光景が広がっていました。
午前5時49分、定刻通りポーランド最後の駅Zhepinに到着。
貨物ヤードには「中欧班列」と書かれたコンテナを満載した列車が停車中。「一帯一路」政策の一環として、現代のシルクロードとして中国とヨーロッパを結ぶ列車を多く走らせている中国。ユーラシア大陸を横断する大きな物流が生まれつつあることを感じる瞬間です。
列車はオーダー川を越えてドイツに入り、Frankfurt (Oder)に到着。同じフランクフルトはフランクフルトでも、国際空港のあるフランクフルトとは別物です。時刻表を見ると、ここからベルリンまで1時間とちょっとのはず・・・が、切符を見ると到着予定時刻はここから2時間後。
どうやら工事か何かかの事情で迂回をする模様。列車はFrankfurt (Oder)からベルリンに直行するのではなく、一旦ドイツとポーランドの国境をコットブスCottbusに向けて南下。
どうやら到着までは時間があるようなので、朝食を食堂車に食べにいきます。
ゆったりとした食堂車で朝食をいただきます。ドイツらしく味はしっかり。
列車はコットブスから向きを北西に変え、ベルリンに向かいます。
通常の列車のベルリン到着時刻をだいぶ越えた午前8時すぎ、第三軌条(集電レール)のある線路が現れ、Sバーン(ドイツの近郊電車)の車両基地が見えてきました。ようやく、ベルリンの郊外にたどり着いた模様。
徐々に街並みが遠くに近くに見えてきます。
午前8時40分すぎ、Treptower Park駅で運転停車。
午前8時53分、ベルリン・リヒテンシュタイン駅に到着しました。リヒテンシュタイン駅はベルリン市街の東側にある駅で、以前は東欧へ行く列車の始発駅であったようですが、今はその役割をベルリン東駅などに譲って若干寂れた雰囲気になっています。通常、このStritz号もベルリン東駅(Berlin-Ost Bahnhof)発着なのですが、今日に限っては迂回運行の事情によるのか、リヒテンシュタイン駅が終着駅となっていました。
ホームの券売機で1日券(Tageskarte = day ticket)を買って乗り込みます。中心部を網羅するzone A/Bの1日券は7ユーロ。約1000円ですが片道切符もABゾーン内で2.8ユーロ(3駅以内は1.7ユーロ)なので、おおよそ3回乗るなら1日券が安いです。そして何より楽。Sバーン(近郊電車)、Uバーン(地下鉄)、バス、トラムなんでも乗れるので…
まずは、旧東ベルリンの繁華街、アレクサンダー広場へ。世界時計とテレビ塔という東ベルリンきっての名所の組み合わせ!かつて映画「グッバイ!レーニン」で見た世界時計。この世界時計は東ドイツ時代のランドマークの一つで、今もアレクサンデー広場のアイコンとして健在です。
テレビ塔に登って、ベルリンという街を眺めてみたいと思います。
ある方向を見るとこんな感じ。
もう一方を見るとこんな感じ。
かつて、ベルリンはみんなご存知の通り、資本主義国である西ドイツの施政下に置かれた西ベルリンと、共産主義国である東ドイツの首都、東ベルリンに別れていました。共産主義の画一的な建物群と、以前からのベルリンの街並みということなのでしょうか。ベルリンという街が持つ色々な表情を感じさせる風景です。
続いてはベルリンの壁を見に行きます。
あるところはアートギャラリーとして。このソ連・ブレジネフ書記長と、東ドイツ・ホーネッカー国家評議会議長の熱いキスの壁画は壁を象徴する壁画として有名です。
また、あるところはかつてのベルリンの壁や監視塔を忠実に保存する史跡として。それぞれ1989年まで続いた分断の歴史を後世に伝える記念碑として残されています。
一通りベルリンの散歩を始めたところで、再びUバーンに乗って市内中心部のGendarmenmarktへ。年末には大規模なクリスマスマーケットが開催されるこの広場に面した宿に今日は泊まります。
荷物を置いて着替えたら、夜はベルリンフィルハーモニーへ。
ベルリンといえば、ベルリンフィルハーモニー(Berliner Pholharmoniker)でしょう!ということで、日本にいるうちに切符を手配しておきました。
予約は簡単で、ベルリンフィルのサイトから予約して支払いを済ませるだけ。あとはエアメールでチケットが日本の住所に送られてきます。
開演前はロビーでみんな思い思いに過ごしています。よく、正装しないととか言われますが、今日の公演ではむしろ皆さん多少はちゃんとした格好はするものの、ジャケットありのスマートカジュアルって感じかな。
今日の公演は、43歳と比較的若手ながら、現在はパリ管弦楽団の音楽監督を務めているDaniel Hardingがベルリンフィルを指揮するプログラム。彼は軽井沢大賀ホールの芸術監督も務めているなど、日本ともゆかりがあるよう。
恥ずかしながら、クラシックの素養があるわけではないが、この場の雰囲気と、飽きさせない緩急ついたプログラムで、最後まで気持ちよく(&寝ないで…これ重要。今まで最後まで起きていたクラシックコンサートはなかった…)聴き入ることができました!
公演が終わると外は真っ暗。公演の間に飲んだシャンパンが程よく回っていい気持ち。
明日も、ベルリンを散歩します。
【今日の移動距離】790km(テレスポリから) 【累計】13,990km